foobar2000:ReplayGain tag と エンコード時動作

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はじめに

車で音楽を聴く際、大多数の人は音源ソースに何を使用しているのでしょうか。

私は(スマホや音楽プレイヤー再生のBluetooth接続ではなく)、音楽ファイルが入ったSDカードをカーナビに刺して再生させてます。

この方法で基本的には問題ないのですが、問題が1つがでてきました。それは「ランダム再生を行った際に音量が違い過ぎる」ことです。家で聞く場合は ReplayGain 機能があるソフトが使用できますから問題無いのですが、自車のカーナビは ReplayGain に対応してません、、、

※ReplayGain tag に対応したカーナビはあるのでしょうか? 調べても情報が全然でてきません、、、

という訳で、カーナビで音量を揃えて聞く最適方法を検討したついでに「ReplayGain tag が存在するファイルをエンコードした時の挙動」を色々調べてみたので、自分の備忘を兼ねて記録に残しておきます。なお今回、エンコードソフトには foobar2000 を使います。

ReplayGain tag 有りファイル変換時の挙動

大前提

まず、 ReplayGain に対応しない環境/器機(今回はカーナビ)で音量を揃えて再生する方法は以下3つしかないと思います。

手法によりメリット/デメリットや好みはありますが、今回は「エンコード時に ReplayGain Tag を読み取らせ、音源ファイルそのものの音量を変更する」方法で対応します。

手法メリットデメリット
ReplayGain 対応機器(オーディオプレイヤーやスマホ)で再生し、それら器機とカーナビをBluetooth 等で接続・簡単(オリジナルの音源ファイルを ReplayGain 対応機器に投入するだけでよい)・運転中のスマホ操作は避けたい
・スマホとカーナビの接続が面倒
・スマホがSDカードに対応していない場合は、音楽ファイル数次第では難しい
エンコード時に ReplayGain Tag を読み取らせ、音源ファイルそのものの音量を変更する・追加投資の必要がない
・ReplayGain 対応機器 で再生した場合と同じ結果が出力される
・エンコードの手間が必要
・オリジナルファイルとカーナビ再生用の2ファイルの両方を保持する必要がある
カーナビの DSP (特にリミッターやコンプ)機能を用いる・追加投資の必要がない・DSP, エフェクターの知識が必要
・ReplayGain 対応機器 で再生した場合と同じ結果にはならない
・高度なDSPが搭載されたカーナビが少ない(※1)

※1.高度なDSPが搭載されたカーナビは、(知る限りでは) KENWOOD の彩速ナビ あたりだけだと思います。

foobar2000 エンコード時の ReplayGain tag 設定項目

ReplayGain tag にかかわる foobar2000 の Convert Setup ダイアログ (エンコードオプション設定項目)は、以下の3項目です。これらの項目を適切に設定することで、音量をコントロール可能です。

Source mode : Convert Setup > Processing > ReplayGain > …

Processing : Convert Setup > Processing > ReplayGain > …

transfer ReplayGain info : Convert Setup > Processing > Other > When done

オプションの組み合わせと挙動(結論)

まず大前提として、前項目で説明した3オプションの組み合わせと挙動は以下になります。

※上記エンコードで使用するソースファイルは、すべて「 ReplayGain tag が追加されたファイルを投入した場合の動作」であることに留意してください。

※ソースファイルに ReplayGain tag が存在しない場合は、どのパターンを選んでも音量は変わりません。

Source modeProcessingtransfer ReplayGain infoエンコード後ファイル自体の音量変化ReplayGain Tag の保持挙動
No.1nonenoneチェック 有×
No.2nonenoneチェック 無××
No.3noneapply gainチェック 有×
No.4noneapply gainチェック 無××
No.5albumnoneチェック 有×
No.6albumnoneチェック 無××
No.7albumapply gainチェック 有
No.8albumapply gainチェック 無×

その上でですが、ReplayGain に関し意味のある設定の組み合わせは以下の3パターンしかないと思われます。

今回の目的である「ReplayGain Tag に非対応のカーナビで再生するファイルの生成」に適するオプションの組み合わせは「No.8」であることが分かります。なお音量データは不可逆となりますので、今後のた為にもオリジナルファイルは破棄しないことをお勧めします。

用途用途実例必要な条件取るべき選択 (No.)
ReplayGain Tag に対応した環境で再生したい。・ファイル形式のみ変更したい(音楽ライブラリの再構築、等)ReplayGain Tag : 保持
ファイル音量 : 保持
No.1
ReplayGain Tag に非対応の環境で再生したい。尚且つ 音量はバラバラでも良い。・複数のCDを跨ぐランダム再生を行わない場合(CD 単位でしか聞かない場合)ReplayGain Tag : 破棄
ファイル音量 : 保持
No.2
ReplayGain Tag に非対応の環境で再生したい。尚且つ 音量レベルを統一したい。・複数のCDを跨ぐランダム再生を行う場合
・カーナビ等で使用する場合、等
ReplayGain Tag : 破棄
ファイル音量 : 変更
No.8 (※不可逆です)

オプションの組み合わせと挙動(補足)

  • 「ReplayGain Tag に対応した環境で使用する場合」は No.1 の組み合わせで問題なし。オリジナルファイルの音量を維持したまま、ReplayGain Tag も保持できるためベストな選択肢。
  • 「複数のCDを跨ぐランダム再生を行わない場合」はNo.2 の組み合わせでも良いと思います。ReplayGain Tag は、必要になったら後からでも気軽に追加することができますから。
  • 「カーナビ等で使用(殆どのカーナビは、現時点ではReplayGain Tagに非対応)する場合」は、No.8がおすすめです。エンコード時点で ReplayGain Tag に基づいて音量を変更してしまうのが良いと思います。ただこの場合は(ReplayGain Tagではなく)音楽ファイルそのものの音量を弄ってしまうわけですから、オリジナルファイルは削除せずに「必ず残しておく」事を推奨します。もしオリジナルファイルを削除してしまうと、もうCDオリジナルの音量に戻すことはできません。
  • No.7 は最悪で、これはもう絶対に避けるべきです。このパターンだと「エンコード時にReplayGain Tag に基づき音楽ファイルそのものの音量を変更しているにも関わらず、さらに ReplayGain Tag も残しています。ReplayGain Tag の効果が二重で掛かってしまいます。またもしオリジナルファイルを削除してしまった場合は、CDオリジナルの音量を復元することもできません。いいところがありません、最悪です。

所感

今回は「ReplayGain に対応しない環境/器機(今回はカーナビ)で音量を揃えて再生する方法」を検討してみました。

ReplayGain に対応しない環境で音量を揃えるのは結構大変ですね、、、 どう頑張ってもファイル変換をしなければいけませんし、また音量変更した状態でエンコードできるソフトも限られてきます。

今回は foobar2000 の多機能性に助けられました。オプションが多すぎて難しいところもありますが、やりたい事は殆ど出来ますしほんとに良いソフトです。作者様に感謝・・・!

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